2010-10-01 ハムスターの頬袋脱

お久しぶりです。今日はハムスターさんを紹介します。

ぽてくんは2才のジャンガリアンハムスターで、
朝見たら口から何か出て引っ張っているとの主訴で来院されました。

見ると、左側の頬袋が反転して口から飛び出していました。
ぽてくんは何だか分からず必死に取ろうと引っ張って噛みちぎろうとしていたのです。

このままでは頬袋の傷から出血する危険があります。
また、ごはんも食べることができません。

飼主さんと相談し、高齢ですが摘出手術を行うことになりました。

抗生物質と消炎剤を飲ませ鎮静剤の注射後、ガス麻酔にて寝かせます。
脱出した頬袋の根元を吸収糸で結び、電気メス(バイポーラー)にて切断します。

手術自体は単純ですが、ぽてくんは高齢だったため全身麻酔に
耐えてくれるか心配でした。 しかし、覚醒もよく当日元気に帰って行きました。

ぽてくんの場合は頬袋にできたできものが原因で脱出してしまいました。

ハムスターの頬袋脱は時折見られる疾患で外傷や炎症、
腫瘍などが原因で靭帯が損傷し反転脱出します。

原因が何であってもハムスターさんが出た頬袋を齧って引っ張ることで即炎症性の浮腫を起こし、来院時には整復は困難で摘出手術が必要な救急疾患です。

飼育下のハムスターさんは毎日新鮮なごはんをもらっているので、
頬袋がなくなってもその後の生活に障害はありません。


ファミリー総合動物病院付属

エキゾチックペット診療室


エキゾチックペット診療室